日本海軍400時間の証言

NHKスペシャル日本海軍400時間の証言」の制作者たちによる取材録。これが非常に面白い。


以下、amazonの紹介文

昭和55年。東京・原宿にある旧海軍将校のOB団体「水交会」に、日本海軍の中枢にいたエリートたちが集まった。元大尉から中将まで、参加者はのべ40人。月1回の会合は「反省会」と呼ばれ、平成3年まで130回以上、開かれた。「戦争の真実を語り残す」という目的のもと、「門外不出」を条件に、会はすべて録音されていた。開戦を巡り陸軍と海軍では水面下でどのような動きをしていたのか、特攻作戦の本当の発案者は誰でどのような理由で決行されたのか、戦後の東京裁判で海軍軍人を守るために、海軍はどのような手をうったのか----など、幅広いテーマが議論されたのである。録音されたテープは計400時間。時には出席者間で激論を交わし、戦時中は雲の上の存在だった上官に真実を厳しく追及する場面もあった。この貴重な記録を基に、証言者、その遺族、関係者や史・資料など、広範な関連・裏付け取材を行い、埋もれていた太平洋戦争の裏面史に光をあてる。

この本を読んだことで得た教訓はたくさんあるが、以下の教訓は、サラリーマンの自分もよく覚えておくべきことかもしれない。



「組織が自己防衛のために、組織下部の人間に責任を押し付ける傾向がある」



戦後の戦犯裁判では、海軍上層部ひいては天皇の戦争責任回避のために、組織下部の人間(B/C戦犯の一部、戦死者)が代わりに責任おしつけられた可能性が高い、との記述があった。


会社での研究開発でも似たようなことが起き得るかも。研究開発が失敗したときの責任追及、ありそうだ。上司に言いにくいネガティブな事項もきちんと、記録に残るような形(文書等)で上司に報告することが自衛手段かな。

日本海軍400時間の証言―軍令部・参謀たちが語った敗戦日本海軍400時間の証言―軍令部・参謀たちが語った敗戦
NHKスペシャル取材班

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