読書

漫画祭り

ここ2、3か月漫画をたくさん読んだ。 ●この世界の片隅に(こうの史代) 太平洋戦争中の呉に嫁いだ新米主婦の日常生活を描いた作品。主に家族・近所の人との人間関係を軸に物語が展開していく。 ここ、1,2年でベスト3に入る秀作。この作者、絵は下手だが、話の…

欧州統合、ギリシャに死す

イギリスのEU離脱騒動の最中、読んでみた。 EU統合(ユーロ統合)において大きな問題となっているものは、EUの2大リーダーであるフランスとドイツの統合理念の違い。 ギリシャのユーロ離脱危機、イギリスのEU離脱危機と続いているが、、、結局のところ、これ…

最近読んだ本

●「ごちそうさまが、ききたくて。―家族の好きないつものごはん140選」栗原はるみ ●「大好きな炒め物」ウー・ウェン ●「最後の晩餐」開高健 ●「開口閉口」開高健 ●「ドキュメント 戦争広告代理店〜情報操作とボスニア紛争」高木徹 ●「日本の論点」大前研一 時…

喜嶋先生の静かな世界

大学での研究生活がテーマの小説。大学生の主人公の目を通して見た、研究生活が描かれる。 研究でのスリリングな展開とは裏腹に、日常生活は何も無く、静かな毎日。理系の大学院生の生活は、こういうものだと、ひどく共感した。 喜嶋先生の静かな世界 (100周…

地図で読む世界と日本

地図とは、取捨選択された情報が載せられるものである。航空写真と違い、地図には、地上にある全ての情報を地図に盛り込むことが出来ない。従って、目的に即した情報をデフォルメして、また、不要な情報は削除して載せる。 ここに、地図の面白さがある。即ち…

報告書・プレゼンの教科書

「ロジカル・ライティング」 年齢的にプレゼンする機会が多くなったので、より良きプレゼンのやり方を勉強するために読んでみた。 この本の優れているところは、プレゼンで何を報告すべきか(コンテンツ)、について書かれていることだ。つまり、読み手の関心…

漂泊の民サンカを追って筒井 功 現代書館 2005-07売り上げランキング : 288992Amazonで詳しく見る by G-Tools 知の武装: 救国のインテリジェンス (新潮新書 551)手嶋 龍一 佐藤 優 新潮社 2013-12-14売り上げランキング : 8922Amazonで詳しく見る by G-Tools

夏連休だったので、例によって育児と読書。 「藍色のベンチャー」 江戸時代後期、琵琶湖畔の彦根で始まった陶磁器、湖東焼*1の創業物語。一度、湖東焼の現物を見てみたいものだ。 藍色のベンチャー(上)幸田 真音 新潮社 2003-10-30売り上げランキング : 8622…

最近の土日は、妻の実家にいる長男の世話に丸々費やしている。週末しか会えないからね。オムツ換え、ミルクと一通りできるようになった。その、ミルクの合間を見て読書三昧。 「ロロ・ジョングランの歌声」が良かった。東ティモール独立とODA利権とを絡めた…

アフリカッ!

アフリカッ!松村 美香 中央公論新社 2013-12-19売り上げランキング : 179359Amazonで詳しく見る by G-Tools

あの日、僕は旅に出た

蔵前仁一の半生記。 蔵前仁一はバックパッカーで、旅行に関する書籍や雑誌を出版している「旅行人」という出版社の編集長で、自身も旅行作家。 あの日、僕は旅に出た蔵前 仁一 幻冬舎 2013-07-12売り上げランキング : 124177Amazonで詳しく見る by G-Tools

金融腐蝕列島

高杉良の金融小説。バブル後の銀行の不正にまみれた内情をモデル化した小説。 さまざまな事件に巻き込まれる主人公の生き様が「淡々」と書かれていて、いまいち盛り上がりに欠ける。 映画の評判がとても高いので、先に原作を読んでみたのだが。先に映画を見…

シークレット・レース

プロのサイクルレーサーだったタイラー・ハミルトンが語った、自身や自転車競技業界のドーピングの事情について書かれた本。ハミルトンの半自伝的体裁で書かれている。 結論を一言で言うと、とても面白い本。今年に入って読んだ本の中で、一番面白かった。 …

消された一家

北九州で起きた、一家連続監禁殺人事件*1を描いたノンフィクション。あまりの事件の残虐性に、読んでいて途中で気分が悪くなった。 家族乗っ取りの手法、残虐性など、尼崎事件*2との類似点が非常に多い。 最近の事件に関わらず、事件の存在を知らなかった。…

殺人犯はそこにいる

冤罪事件で有名な「足利事件」を含む北関東連続幼女誘拐殺人事件に関するノンフィクション。 その事件を追いかけ、真犯人と思われる人物にまでたどり着く。 殺人犯はそこにいる: 隠蔽された北関東連続幼女誘拐殺人事件清水 潔 新潮社 2013-12-18売り上げラン…

タックス・ヘイブン

橘玲が書いた久々の金融小説。 アングラマネーの租税回避をテーマとしたサスペンス。手に汗握る展開が面白い。 作者処女作で、約10年前に書かれた「マネーロンダリング」は舞台が香港だったが、今回はシンガポールが舞台。舞台の変遷からも、租税回避の中心…

忘れられた日本人

昭和前半に活躍した民俗学者で、フィールドワークの達人であった宮本常一の本。 第二次世界大戦中・戦後の期間に、農村・漁村の老人たちの日々の生活、伝承を取材して纏めたもの。明治・大正の農村・漁村の様子、風習が判って面白い。 TVなどで評論家が「最…

いつまでも美しく

インド、ムンバイ空港近くのスラムに住む人々を描いたノンフィクション。 悲惨な話、理不尽な話が淡々と綴られている。内容はとても面白いが、翻訳がいまひとつ。 いつまでも美しく: インド・ムンバイの スラムに生きる人びとキャサリン ブー Katherine Boo …

体調不良でひきこもり。頭痛(寝すぎが原因?)がしていたので、家でゴロゴロしていた。 うとうとしながら妹尾河童の本中心にパラパラと流し読み。「河童が覗いたトイレまんだら」「河童が覗いたニッポン」を読んだ。 妹尾河童の本はコラム併記されているスケッ…

石井光太祭り

石井光太の本を3冊続けて読んだ。 石井公太は若手のノンフィクション作家の中で最も好きな作家で、社会弱者や被差別者がテーマの本が多い。 今回読んだ本は、エイズ感染者の話、ハンセン病患者の話(これは珍しく小説)、そしてノンフィクションのオムニバス。…

ラス・ヴェガスをブッつぶせ!

ラスベガスのカジノのブラックジャックで、MITの学生がチームワーク・カードカウンティングを行って、荒稼ぎするというノンフィクション。 頭の良い人は、恐ろしいことを考えるなぁ。 ラス・ヴェガスをブッつぶせ!ベン・メズリック 真崎 義博 アスペクト 200…

最近読んだ本

「外務省が消した日本人」 ブラジル移民2世が日本政府に復讐する小説「ワイルドソウル」を読み(2014-01-25 - ひょうたんくずれの日記)、アマゾン移民について興味を持った。そこで、棄民政策といわれた戦後のアマゾン移民について書かれた本を読んでみた。 …

最近読んだ本

竹森俊平の本を読んだ。いつも、氏の経済学者としての深い洞察力に驚く。 ○通貨「円」の謎 バブル崩壊後、なぜ日本は円高デフレ不況に永く悩まされたか?アジア通貨危機を経験した国のほとんどは、大幅な通貨安⇒輸出の増加⇒短期のV字回復、となったが、これら…

アマゾン棄民

リストラ小説「君たちに明日はない」が面白いので、作者の垣根涼介に興味を持ち、他の作品も読んでみた。 読んだのは「ワイルド・ソウル」。日系ブラジル移民とその子孫が、日本政府に復讐を行う話だ。 話のテンポ・スリリングもさることながら、最も印象に…

最近読んだ本

ブックオフや俺のフレンチの立ち上げた坂本氏の本。研究開発だけでなく、ビジネスを進める上でも独創性が必要と判った。既存の技術・方法やその組み合わせだけじゃなく、仮説を立てて人がやっていないことをやることが重要。 俺のイタリアン、俺のフレンチ―…

最近読んだ本

「君たちに明日はない」が面白く、続編(2,3作目)を読んでみた。1作目同様、面白い。4冊目まで出ているみたいなので、これも読んでみよう。 借金取りの王子―君たちに明日はない〈2〉 (新潮文庫)垣根 涼介 新潮社 2009-10-28売り上げランキング : 16701Amazon…

お正月に読んだ本

◎君たちに明日はない 本屋で平積みされていたので、読んでみた。リストラ面談請負会社の話だが、予想以上に面白かった。少し古い本だが、ドラマ化されるのかもしれない。わかりやすく〈伝える〉技術 (講談社現代新書)池上 彰 講談社 2009-07-17売り上げラン…

最近読んだ本

・インド夜想曲 ・風の中のマリア ・チョコレートの帝国 ・カレーの歴史 仕事が忙しくて、本を読む時間を確保しにくくなっている・・・。時間を確保できても、疲れていて読書に集中できない・・・。 インド夜想曲 (白水Uブックス―海外小説の誘惑)アントニオ …

下町ロケット

池井戸潤の作品。 本当は、「ロスジェネの逆襲」を図書館で借りようと思ったけど、自分の予約より以前にされた予約が200件(!)以上あったので、断念。代わりにその場で借りれた「下町ロケット」を借りた。 派手なストーリー展開で痛快。でも、最近この著者の…

大研究 日本の道路120万キロ

道路に関するウンチク本。内容はとてもマニアック。 著者はプロの廃道研究家で、生計は廃道研究で立てているらしい。そういう職業があることや、食べていけることに、本の内容よりも驚いた。大研究 日本の道路120万キロ (じっぴコンパクト新書)平沼 義之 実…