ゲルマン紙幣一億円

今まで読んだ経済小説マネーロンダリング」や「ハゲタカ」に並ぶ面白さ。


手に汗握りつつ読めた。ラストも予想を裏切る展開で大満足。


この小説に書いているようなことが本当に可能であったのかどうか不明だが、混乱期にはこのような予想もしないチャンスがあるのだろう。いろいろとヒントになる小説だ。


著者の他の作品、「桜田門外十万坪」や「円を創った男―小説・大隈重信」を読みたくなった。

明治維新期、260余りの藩が「藩札」を乱発、さらには膨大な量の贋金・贋札が氾濫して、経済は大混乱に陥っていた。頭を悩ませた政府は、近代国家の威信を賭けて新単位「円」の統一紙幣を発行。その総額は1億円。偽造防止のために世界最新技術を誇るドイツで印刷されたことにより、新紙幣「明治通宝」は、通称「ゲルマン紙幣」と呼ばれたのだった。だが――すべての藩札をゲルマン紙幣に切り替えるという、この近代国家の威信を賭けた大改革には、意外な盲点があったのである。藩を追放された野島小太郎は、維新のはぐれ者たちを集めて世一代の大勝負に出た!

ゲルマン紙幣一億円(日経ビジネス人文庫) (日経ビジネス人文庫 グリーン わ 3-1)ゲルマン紙幣一億円(日経ビジネス人文庫) (日経ビジネス人文庫 グリーン わ 3-1)

日本経済新聞出版社 2009-12-02
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